葬儀におけるふくさの色の選び方について、迷っている方への確実なアドバイスをまとめました。まず、これからふくさを新しく購入しようと考えているのであれば、迷わず「濃い紫色」を選んでください。日本の伝統色において、紫は高貴な色とされ、弔事と慶事のどちらに使用しても失礼にあたらない唯一の万能色です。ただし、弔事で使用する際には、できるだけ深みのある、落ち着いたトーンの紫を選ぶことがポイントです。パステルカラーに近い明るい紫は、お祝い事用として認識されることが多いため、避けるのが賢明です。次に、男性と女性での色の違いについてですが、現代では厳格な区別は少なくなっているものの、傾向として男性は紺や黒、ダークグレーといったより重厚感のある寒色系を好む傾向があります。女性の場合は、エンジ色なども慶事用として一般的ですが、葬儀の場ではやはり紫や紺、緑系が推奨されます。ふくさの色を選ぶ際のもう1つの基準は、香典の金額とのバランスです。高額な香典を包む場合には、ふくさもそれに見合った格の高い素材や色合いのものを選ぶのが調和のとれたマナーです。例えば、10万円以上の香典を包む際に、ポリエステル製の安価な明るい色のふくさでは、全体の格好がつきません。そのような場合は、正絹の重厚な紺や紫のふくさを用いるのが望ましいでしょう。また、意外と見落としがちなのが、リバーシブルタイプのふくさです。片面が赤、もう片面が紫といった便利な製品もありますが、葬儀の場で裏側の赤がチラリと見えてしまうのは好ましくありません。弔事では、中身を完全に見せないように包み、色の純粋さを保つことが大切です。さらに、ふくさの形状についても、最近主流の金封ふくさ(ブック型)は、色が正しければ葬儀で使っても全く問題ありません。むしろ、受付でスマートに香典を取り出せるため、初心者にはおすすめです。最後に、色選びで迷った際の究極の判断基準は「自分が遺族だったら、その色を見てどう感じるか」という視点を持つことです。深い悲しみの中にいる人々に対して、寄り添い、静かに弔う気持ちを表現できる色こそが、葬儀における正しいふくさの色と言えるでしょう。
冠婚葬祭のプロがアドバイスするふくさの色の選び方