葬儀の中でも非常にデリケートな場面である「骨を拾う」儀式ですが、緊張や混乱、あるいは予期せぬ事態によってトラブルが起こることもあります。あらかじめ対処法を知っておくことで、慌てずに儀式を全うすることができます。よくあるトラブルの1つは、高齢の方や子供が箸で骨を上手く挟めず、落としてしまうケースです。これは非常に縁起が悪いと感じる方が多いですが、実際には「骨が故人の遺志でその場に留まりたがった」あるいは「厄を落としてくれた」と前向きに解釈し、落ち着いて職員に拾ってもらえば問題ありません。職員は専用の道具で適切に処理してくれます。また、遺骨の量が想定より多かったり少なかったりして、用意していた骨壺に収まりきらない、あるいはスカスカになってしまうこともあります。全収骨の地域で収まりきらない場合は、職員が骨を少し砕いて詰めることがありますが、これに抵抗を感じる遺族もいます。そのような場合は事前に「できるだけ砕かないでほしい」と伝えておく必要がありますが、物理的な限界があることも理解しておかなければなりません。また、親族間での意見の相違も起こりやすいポイントです。どの骨を誰が拾うか、誰が骨壺を持つかといった順序を巡って、感情が昂っている時期だけに小さな諍いが起きることがあります。これを防ぐには、葬儀社の担当者や火葬場職員に進行を完全に任せ、プロの誘導に従うのが最もスマートです。さらに、火葬後の遺骨に人工関節やペースメーカーの残骸、あるいは生前に体内に埋め込まれていたボルトなどが混じっていることがあります。これらを「故人の一部」として一緒に納めるか、あるいは火葬場に引き取ってもらうかも、その場での判断を求められます。最近では、インプラントの金属や貴金属などはリサイクルされ、社会福祉に役立てられることも多いですが、遺族が持ち帰ることも可能です。骨を拾うという極限の状態では、普段なら気にならないことが大きなストレスになることもあります。周囲の人は、戸惑っている遺族を責めるのではなく、静かに見守り、必要に応じて手を貸す寛容さが求められます。骨を拾う儀式は、完璧にこなすことよりも、心を込めて行うことが何よりの供養です。多少の不手際があったとしても、それが故人への愛ゆえであれば、誰も咎めることはありません。
骨上げの最中に起こりうるトラブルとその対処法