私は葬儀社のスタッフとして、これまで数多くの通夜や告別式の受付業務をサポートしてきましたが、そこで目にする参列者の方々のふくさの使い方は、まさに十人十色です。しかし、中にはやはり色の選択を誤ってしまい、後で非常に気にされる方も少なくありません。現場の視点から言わせていただくと、最も安心して見ていられるのは、やはり「濃い紫」か「紺」のふくさをお使いの方です。これらの色は、どのような宗派の葬儀であっても、またどのような格の会場であっても、周囲に違和感を与えることがありません。逆に、最近増えているパステルカラーのふくさを弔事で使われるケースについては、正直なところ、受付のスタッフ同士でも「あれは少しマナーに欠けるのではないか」という話題に上ることがあります。特に若い世代の方に多いのですが、ライトブルーや薄いピンクなどは、たとえ模様がなくても、葬儀のモノトーンの空間では非常に浮いて見えます。また、ふくさの色が適切であっても、その素材があまりにカジュアルすぎるもの、例えばデニム生地やプリント綿などは、弔事の装いとしては不十分です。理想は光沢のないシルクや、質の良いポリエステルです。さらに、受付でよく見かけるトラブルとして、慶弔兼用のリバーシブルふくさを、間違った色の方を上にして差し出してしまう方がいらっしゃいます。葬儀では必ず「寒色系」が表に来るように、自宅でゆっくりと確認してから来場されることをお勧めします。受付は非常に混雑することもあり、焦って取り出す際にミスが起きやすい場所です。また、ふくさを持っていないからといって、購入した際のビニール袋や、銀行の封筒に入れたまま香典を出すのは、色以前の問題として避けるべき行為です。もし適切なふくさがない場合は、せめて黒や紺の無地のハンカチに包んでください。その1手間に、参列者の誠実さが表れます。私たちスタッフは、参列者の皆様が故人様を安らかに送り出せるようサポートするのが仕事ですが、ふくさの色1つで、その方の「弔いの姿勢」が伝わってくるのも事実です。正しい色を選び、正しく包む。このシンプルな行為が、葬儀という場の質を高め、遺族の心を癒やす一助となるのです。